矯正歯科治療の一般的なリスクと限界について

歯痛

装置装着後またワイヤー調整後、約1~7日間歯の痛みを生じることがあります。 痛みが強い場合には、鎮痛剤をご使用ください。個人差があります。

虫歯、歯肉炎、歯周病

治療期間中、歯磨きをきちんと行ってください。十分な歯磨きが出来ていないと虫歯や歯肉炎、歯周病の原因になり、他院にて治療が必要な場合があります。

口内炎

頬粘膜、口唇、舌などに口内炎が出来る事があります。お渡ししたシリコンワックスをお使いください。1週間以上、治癒しない場合はご連絡ください。

発音障害

個人差はありますが1〜2週間程度話しにくくなる事があります。徐々に慣れてきます。

歯根吸収

矯正治療中に歯根が吸収し丸みをおびる事があります。歯根吸収が著しい場合には、治療を1〜3か月程度中断した後に、治療を再開する場合があります。歯根吸収の進行が止まらない場合には、当院の判断で治療を中止し補綴・外科処置などを併用した治療方針に変更させていただく場合があります。

歯肉退縮

矯正治療中に歯ぐきが下がり歯が長く見えたり、歯と歯の間に隙間が生じたように見える事 (ブラックトライアングル) があります。加齢に伴ない生じる事もあり日常生活に支障はありませんが、気になる方はご相談ください。歯根が大きき見える場合には、他院にて外科的な処置を進める場合があります。

歯髄炎

矯正治療期間中、シミたり痛みが感じるなどの歯の神経の症状が生じる場合があります。治療をしていただく場合があります。症状が強い場合にはかかりつけ医にて治療をしていただく場合があります。

骨性癒着 (アンキローシス)

外傷の既往等により、歯根が顎の骨と癒着していることがあります。その際、矯正治療では歯を動かすことができないため、外科的な処置及び、補綴処置が必要となることがあります。また、矯正治療中に生じた際には、治療計画を変更する場合があります。

顎関節症

顎関節症と矯正治療の相関性はないとされていますが、治療中に顎関節の痛み、開口障害、頭痛、耳鳴り、筋の硬直などを生じる事があります。咬み合わせだけではなく、ストレス、姿勢などさまざまな原因が考えられます。専門医をご紹介させていただく場合がありますのでご相談ください。

治療の限界

当院では顎口腔機能の向上と不正咬合の改善を主目的に矯正治療を行っております。 そのため、顎口腔機能に悪影響を及ぼすと判断された場合、患者様のご希望に添えない事がございます。骨格の不調和による顔のゆがみは矯正治療だけでは治りません。

抜歯

歯と顎の大きさの関係で、全部の歯が並びきらない場合、抜歯をする事があります。 無理に非抜歯で治療を行なうと、後戻りや歯肉退縮の原因にもなります。個人差はありますが、抜歯により前歯をさげると、口元の変化が認められます。

治療期間

歯の動くスピードには個人差があるため、治療期間が予定よりも大きく変更される事があります。また、患者様のご協力度によっても治療期間は大きく変わってきます。

後戻り

矯正治療後にきれいな歯並びを保つため、リテーナーを使用することがとても大切です。保定装置の使用方法については必ず指示に従ってください。使用方法は、保定開始時に再度ご説明致します。保定装置を使用しても顎の成長変化、加齢変化、虫歯、歯周病、舌や口唇の癖、鼻咽頭疾患などによる口呼吸、歯ぎしりなどにより後戻りが生じる事があります。
保定期間の経過観察が終了しても後戻りを全くしないという事はありません。そのため、当院では保定期間終了後もリテーナーの使用と通院の継続をお勧めしております。

顎の外科処置

上下の顎のずれが大きい場合は、矯正治療のみでは治療できないため、外科処置を併用することがあります。大学病院での矯正歯科治療をお勧めすることがあります。

その他

ご心配な事がございましたら、当院にご相談ください。
歯科矯正治療は、生体の一部である口腔内の形態を変化させていく治療です。 個々の患者様によって矯正力を加えた場合の生体の反応が異なる事をご理解ください。