埋伏歯について

こんにちは。福山市福山駅前の歯列矯正専門クリニック、イロドリ矯正歯科です。

今回は、埋伏歯(まいふくし)についてのお話をしたいと思います。

今までのブログで、乳歯及び永久歯の本数や生える時期等をお話させていただいているかと思いますが、発育、形成が完了しているにも関わらず、正常な時期を過ぎても口の中に萌出せず、歯ぐきの下あるいはあごの骨の中にとどまっている歯のことを埋伏歯(まいふくし)といいます。

日本で行われたある調査によると、矯正患者さんのうち、永久埋伏歯がみられる患者さんは3-9%程度といわれています。
典型的な部位は、上顎(うわあご)の犬歯が圧倒的に多く、次いで上顎過剰歯(生まれつきある余分な歯)、上顎中切歯の順です。下顎は上顎よりも数が少なく、下顎の場合だと第二小臼歯(前から5番目の歯)が最も多くなっています。

治療方針としては、開窓(かいそう)、牽引(けんいん)といって、歯茎を切開して歯を出して引っ張ってくる治療が多く選択されますが、場合によっては、埋伏歯の抜歯を行ったり、定期観察となったりすることもあります。治療法の選択は、将来的な歯並びの状態をある程度予測して、その歯を牽引する必要性があるのかどうかを十分に検討して、行います。そのため、歯列矯正の専門クリニックでの一貫した治療が必要となります。

特に例の多い上顎犬歯が埋伏している場合の治療についてご説明すると、そのままの方向で萌出しようとしてしまうと、隣の側切歯や中切歯の歯根を吸収させてしまったりする可能性があるので、


①8歳で4mmの萌出遅延
②9歳で歯冠が側切歯の歯根の半分とオーバーラップする+正中に対して30°の傾斜がある(正常は10°程度)
③埋伏歯の歯根への近接が1mm未満である


などの条件を満たす場合には開窓、牽引の適応となります。
ただし、埋伏犬歯が側切歯の遠心2分の1より遠心側にある時は、開窓、牽引をせずとも、先行乳犬歯の抜歯のみで正常に生えてくる場合もあるので、レントゲンやCTでしっかりと精査することが重要です。

歯が埋伏していることで、特に痛みがあったりするわけではないので、どうしても、ご本人やご家族の方が、ここの歯は生えてくるのが遅いな、なんだかおかしいなと気づくまでには時間がかかりがちです。

適切な時期に治療をはじめることができるように、お子さんの生え変わりの時期には、しっかりとかかりつけの歯医者さんでチェックしてもらうようにしていただくといいかと思います。

その他歯並びのことで気になることがある方は、相談だけでもぜひ一度お越しください。
お待ちしております。

歯列・歯並び(出っ歯;上顎前突、受け口;下顎前突、ガタガタ;叢生、すきっ歯;空隙
歯列、歯が生えてこない;萌出不全、歯が足らない;先天性欠如歯,先天性欠損歯、
歯が変なところから生えてきた;異所萌出、歯が多い;過剰歯、後戻り、再治療、
顎変形症、口蓋裂など)でお悩みの方がいらっしゃいましたら、
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