矯正治療中の食事のコツ

こんにちは、福山駅前の歯並び専門クリニック、イロドリ矯正歯科です。

本格的な矯正治療、つまりワイヤーやブラケットを用いた大人の矯正治療を始める際に、患者さんから、

「矯正装置を付けたら、食べれない物はありますか？」

と質問を受けます。

今回は、矯正装置を付けた後の食事について、お話をします。

まずは、矯正装置の構造からです。

矯正装置は、主にブラケットと呼ばれるボタン状のものを接着剤で、歯に装着します。接着剤は様々な種類があります。光で固まるもの（光重合）や、２、３分程度で固まるもの（化学重合）などですが、いずれも歯にしっかりと装着されます。

しかしながら、硬いものを噛むとブラケットは取れてしまう（脱離）ことがあります。

人間の噛む力はとても強く、食いしばった時には自分の体重程度の力がかかります。例えば、ピーナッツや煎餅など硬い食べ物を噛む時には、１３kg程度の力が加わります。

それだけの力が、接着剤で装着したブラケットにかかると、やはりブラケットが取れてしまします。

しかしながら、接着剤が今よりもとっても強く脱離しなかったらどうなるでしょうか。

歯が欠けたり、割れたりするリスクが高まります。

もちろん、矯正装置が取れない方がより良いですが、装置が取れてしまうほどの力がかかる場合には、歯の代わりに装置が壊れていると考えても間違いではありません。

それでは、歯並びの治療中に注意が必要な、硬い食べ物についてです。

前述の煎餅やピーナッツの他に、ラスクやアイスバーなどもあります。さらに、飴玉や氷をガリガリと噛むことも控えた方が良さそうです。

しかし、患者さんのご意見を聞いてみると、気をつければ食べれると言われることがほとんどです。煎餅やラスクなどは、歯で噛んで割ると装置に大きな力がかかりますが、口の中に入れる前に、小さく割って食べると問題ありませんし、飴玉や氷もガリガリと噛まなければ、食べることができます。

次に、粘着性の高い食べ物も、矯正治療を始める際には、よく注意される食べ物です。

ガムやキャラメル、ぷっちょなどです。これらの食べ物は、矯正装置のブラケットやワイヤーの複雑な箇所に入りこんでしまうと、取り除くことが難しくなります。

ただ、グッと強く噛まなければ食べることが可能です。キャラメルやぷっちょなどは、舐めると溶けるので、大きな問題になることはありません。ガムは、ちょっとが注意が必要ですね。

次は、矯正治療をしている人の中では有名な、カレーライスなどの色が濃い食べ物。

矯正治療では、ワイヤーやブラケットの他に、パワーチェインやモジュールといったゴムを使用することが多いです。これらは、元々は目立たない透明ですが、カレーライスのような色の濃い食べ物を食べると変色してしまい、黄色くなります。

せっかくきれいなセラミックの装置やホワイトワイヤーを装着しているのに、ゴムの部分が黄色くなってしまうと、目立つしカッコ悪いです。カレーライスは、とても美味しいですし、ストレス発散効果もあります。好きな人も多いですよね。

残念ながらこの変色を防ぐ術はありませんが、ちょっとしたコツがあります。

クリニックに受診する前に食べるのです。受診した際には、ゴムなどの樹脂製の材料は必ず交換するので、受診前日に食べれば、次の日にすぐ交換してもらうことができます。当院では、患者さんにこのコツをお伝えしています。これだと１か月に１回はカレーライスが食べれられますね。あと、前歯にゴムが使用されていなければ、変色しても問題ありませんね。

そして、繊維質の食べ物も強敵です。えのき、ほうれん草、白菜などです。

これらの食べ物は、食べていけないわけではないです。しかし、装置に引っかかりやすく、食事している時は不快かもしれません。これは、食後の歯磨きを頑張ってもらうしかないかもしれません。ごめんなさい。

そして最後に、矯正治療中に食べる頻度が高くなる食事です。つまり、装置がついていても、食べやすい食べ物です。

麺類です。うどんやパスタなどは、装置にも挟まりにくく、食べやすいようです。

参考にしてみてください。